発達障害者が抱える育児の不安と解決策
発達障害を改善するきっかけとなった一冊の本にも書きましたが、私は医師の診断は受けてはいないものの、自分は発達障害…アスペルガー症候群だと認識しています。
自分が発達障害だからこそ妊娠中に思っていた育児の不安、そして現在子どもを見ていて思う結果をまとめました。
妊娠中に思っていた不安
赤ちゃんに必要なのものは、親の笑顔と親の心の余裕、そして親の愛情だと思っています。妊娠中もそう考え、今も子どもにはそれらが大切だと感じています。なので、それらを自身の発達障害により子どもに与えられない可能性があることに不安を感じていました。理由は自身が抱える以下の点です。
・ルーティンを崩されるとイライラする
・音に敏感で、特に大きな音は不快になる
・人の気持ちがわからない
・人や物に愛情が持てない
特に本当に愛せるか、愛情を伝えられるかが不安でした。今までの人生で、夫以外には何を考えているかわからないと言われてきたので、そんな私が相手に伝わるくらいの愛情を示せるのか自信がなかったんです。それに、ルーティンを崩されたり大きな音などで不快になる私が、赤ちゃんを虐待してしまわないか不安でした。そこで、4つのルールを設けました。
4つのルール
赤ちゃんを自分の子どもと思うのではなく、1人の人間として接する
これは、他人行儀とかっていう冷たい意味ではなく、子どもを自分の一部のように思わず、1人の人間として接するという意味です。今まで女性のお腹の中にいた赤ちゃんですが、産まれてしまえば赤ちゃんも別の人間です。つい、私のかわいい赤ちゃんなんて思ってしまいそうですが、そうなるとなぜ自分の思ったようにしてくれないんだと怒ってしまいそうな気がしたんです。
あくまで、女性のお腹の中にいただけで、別の1人の人間だと尊重しようと決めました。私のするべきことは、自分の子どもとして幸せにするのではなく、1人の人間を独り立ちできる日まで様々なことを教え、サポートしていくことだと決めました。
親の都合を押し付けない
勝手にルーティンを決めたのも、家庭内の様々なルールを決めたのもあくまでも親であって、まだよくわからない赤ちゃんに押し付けるべきではないと考えました。
赤ちゃんが産まれると、全く自分の思い通りにはいかずイライラしますし、何度ルールを教えてもわかってくれません。でも、大人のルールに合わせて生きる能力は産まれたばかりの赤ちゃんにはないので仕方がないんです。赤ちゃんは自分の人生を全うすることだけで精一杯なので、自分が合わせるしかないんですよね。親の都合で赤ちゃんの行動を制限するのではなく、命の危険や赤ちゃんや周りが怪我を負う可能性がない限り、好きにさせようと決めました。
褒めまくる
私は不器用ですが、今も料理や裁縫が好きです。それは、初めてそれをしたときに親がとても褒めてくれたからなんですよね。人を動かすのには褒めることがとても大切です。なので、新生児の頃から褒めまくろうと決めました。
夫婦間の感謝と愛情を大切にする
1番の不安点だった愛情ですが、まず赤ちゃんではなく夫婦間の愛情を大切にしました。家族間で愛情を与え、受け取る姿を見せることで、赤ちゃんに愛情を教えられるのではないかと考えたんです。赤ちゃんに愛情を注ぐだけより、“周りの人間の愛情や感謝の想いのやり取り”という具体的なものを見せる方が、より愛情を感じられる子になるのではないでしょうか。生きていく上では愛情の受け取り方が上手な人ほど幸せな人生を歩めますからね。
具体的な行動策
以上の4つのルールのもと育児をしてきました。新生児の頃は、新生児にこの世界はどう見えてる?、泣き止ませ方、声掛けと寝かせ方に書いてあることをしていました。
ルーティン対策は、午前中にできる限りの家事を済ませることで対応できました。とりあえず先に終わらせられれば多少予定とずれても修正できますし、できなかったときのストレスと比べれば先にしてしまうことは負担にはなりませんでした。
後は、とりあえず新生児の頃から褒めまくりました。「いつも笑顔がかわいいね」「おしっこいっぱいでたね」など、できるだけ具体的にピンポイントで、声を高めにして大袈裟に褒めるんです。人間、失敗をして立ち直るには成功体験が必要だと聞いたので、できるだけたくさんの成功体験を増やすべく、ずっと褒めてました。
それでも、どうしてもイライラすることがあります。そんなときは、ついカッとなって怒る前に「かわいいなぁ」と声に出すことにしました。かわいくなくても、とりあえず「かわいいなぁ」と声に出すだけでかなり赤ちゃんへの怒りは沈められます。これ、おススメです。
結果
これらを意識した結果、穏やかに育児ができています。子どもはまだ一歳半ですが優しく前向きな慎重派になりました。Twitterに子どものエピソードを書いてしまうくらい親バカですし、子どもが優しすぎて、本当に親に似なくてよかったと思ってます。
娘がこっちに走ってきて、くしゃみをしてまたどっかへ言ったんだけど、朝からどうした?
— OKAMATI@アスペ主婦ブロガー (@OKAMATI1) 2018年8月24日
暑いから上は肌着だけで過ごさせてると、最近脱ぐことを覚えた娘。気がついたら上半身裸になってるし、たまにロバートの秋山さん状態になって笑ってるし。
— OKAMATI@アスペ主婦ブロガー (@OKAMATI1) 2018年8月30日
こんなんで遊べるのは今だけだと思うから写真を撮りたいんだけど、撮りたい時ほどタイミングが合わず撮れないんですよねー。
娘よ。そろそろ学んでください。
— OKAMATI@アスペ主婦ブロガー (@OKAMATI1) 2018年9月9日
白ネギは生で丸かじりするものではないです。加熱をするから甘くておいしくなるんです。だから、毎回「だまされた‼︎」って顔をするのはやめなさい。
ただ、母はあなたがおもしろいから止める気はないです。
子ども自身は人見知りが激しい点がありますが、自分を褒めるのはもちろんのこと親も褒めてくれますし、できないことは何度失敗してもできるまでチャレンジしますし、少し一般的な子と視点が違ってるのかな?と思う部分はありますが、それも個性だと今は受け止めています。
親が発達障害だと子どもも発達障害になるのではと不安になる方が多いです。私の子どもも少し一般的な子と違う点もありますが、私たち親の時代と比べて今は発達障害に対する考え方も変わってきているので、親が理解して受け止めてあげれば子どもは幸せになると考えています。
育児に答えはなく不安になることも多いですが、親が笑顔でいれば子どもも笑顔でいてくれますし、それこそが育児の答えではないでしょうか。