発達障害な私の育児日記

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発達障害を抱えながら家事・育児に奮闘中!私ならではの解決法を提案します!

アスペルガー症候群のためのお仕事実践マニュアル!

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アスペルガー症候群の方は社会に出てから生きづらさを感じる方が多いです。私も度々、人間関係や自分の仕事のミスの多さ等で悩んできました。

 

しかし、この度アルバイトの仕事を始めたのですが、比較的落ち着いて仕事ができています。ですので、私が実践したアスペルガー症候群のための仕事選び〜仕事中にやるべき事等をご紹介します。

 

 

 

仕事選び

 

まずは、面接を受けるために働く場所を選ばなくてはいけません。ここで選択を間違うと、仕事が始まってもすぐに辞める結果になってしまいます。

 

私は2つのポイントで選びました。

 

  • 仕事内容が想像できる仕事
  • 少人数で仕事をする狭い職場

 

まず『仕事内容が想像できる』ですが、これは最も大切です。臨機応変や予測不能なことへの対処が苦手なアスペルガー症候群にとって、未知な仕事を始めるのはストレスが大きすぎます。「たぶん、こんな仕事をするだろう」と想像できると、まだ比較的安心して仕事に臨めます。アスペルガー症候群にとって安心感は必須です。

 

次の『少人数で仕事をする狭い職場』ですが、私は視野が狭く、一度に複数の情報処理を行うことが苦手です。ですので、人が多くて広い職場だと情報処理が追いつかずに不安感が増してしまうんです。それを解消するために、接する人が少ない少人数な仕事で、すぐに見渡せる狭い職場を選びました。

 

具体的な仕事選びの方法

 

具体的には、良さそうな求人を見つけたらGoogleマップやネットでそこの職場を調べました。Googleマップでは職場の外観がわかるので仕事場の広さがわかります。そして、ネットで情報を探す事により、仕事内容や職場の雰囲気、職場の人数などもわかります。

 

こうして、自分の条件を元に調べて、面接を申し込む仕事を選択しました。

 

面接の予約

 

次は面接を受けるために連絡をします。最近はネット上で手続きができる職場もありますが、電話が必要なこともありますよね。特に、電話だとここでの対応で面接の受かる落ちるが大きく別れます。

 

電話をする時はゆっくりとハキハキしゃべることを意識しましょう。そして、「お忙しいところすみません」と最初に言い、最後は「では、△月◻︎日の面接をよろしくお願いします。ありがとうございました」ときちんと挨拶しましょう。

 

最初の「お忙しいところすみません」は仕事中であろう電話の相手への配慮です。これを言うだけできちんとした人と感じてもらえます。そして、最後の言葉は面接の日に間違いがないかの確認と電話対応をしてもらった方へのお礼です。これを伝えることにより面接日の勘違い等を無くすだけでなく、相手への気遣いもできます。

 

面接中のポイント

 

面接の予約ができれば、次は面接です。服装は、社員ならスーツ、アルバイトなら私服でいいと思います。しかし、アルバイトの時も襟のあるシワのないシャツを着るだけで印象は良くなります。靴や鞄等もできるだけ汚れのないきれいなものを使いましょう。

 

そして、履歴書や職歴等の持参する書類は、クリアファイル等に入れて汚れと折り曲がるのを防ぎましょう。相手に渡す書類です。鞄の中でぐちゃぐちゃにならないように気をつけます。

 

そして、面接です。まずは「今日はよろしくお願いします」と面接が始まる時にきちんと相手へ挨拶をしましょう。この一言で印象が良くなります。

 

後は、電話の時と同様にゆっくりとハキハキしゃべります。別に上手く話そうとかしなくていいです。ただ、相手に「自分のやる気を伝えたい」という想いで言葉を選びましょう。

 

ここで私はどの面接でも一言付け加えました。

 

「私は察することが苦手です。でも、指示をもらえばきちんと動きます。ですので、仕事では指示がほしいです」

 

発達障害だということを私は伝えませんでした。ですが、アスペルガーは察することができないので、定型発達の人と同じように察することを求められると仕事がうまくいきません。ですので、面接では「察することはできないけどやる気はあります」と伝えました。

 

面接ではできないことはきちんと伝えましょう。「できなくても代わりにこれができる」ということさえアピールできれば、できないことはマイナスになりません。

 

そして、面接の最後に「今日はお時間を取っていただきありがとうございました」と相手にお礼を伝えましょう。相手は、仕事中に自分のために時間を作ってくださったんです。このことへの感謝をきちんと伝えるだけで印象は良くなります。

 

仕事で必要なこと

 

仕事で必要なことは4つです。

 

  1. 挨拶ができる
  2. やる気がある
  3. 素直である
  4. 掃除ができる

 

これができるだけで仕事は円滑に行えます。

 

①挨拶ができる

 

挨拶ってアスペルガーにとっては意外と難易度が高いです。だって、挨拶をされなくても自分は気になりませんしね。 しかし、仕事では挨拶ができないのは大きなデメリットです。

 

そもそも、何故挨拶が必要なんでしょうか。

 

挨拶をすることによって『言葉を交わす機会』が作れます。これが大事です。

 

人は言葉を交わしたことがない人を助けようとも仲良くなろうともしません。だって、言葉を交わしたことがないと、どんな人かわからないから近づかないでしょ?言葉を交わすことによって親近感がわき、仲良くなったり助け合ったりするんです。

 

それなのに、雑談等が苦手なアスペルガーが挨拶という『言葉を交わす機会』を逃せば、全く職場の人と言葉を交わすことなく仕事をするなんて状況になってしまうこともあります。じゃあ、どうなるか。

 

困っていても周囲に助けてもらえなくなります。

 

できないことが多々ある発達障害者にとって、周囲と協力関係を結べないのは大きなデメリットです。だって、困っている時に助けてもらえないとどんどん職場に居づらくなりません?

 

ミスをしても、困っていても助けてもらえない。助けてもらえたとしても嫌な顔をされる。こんな経験、アスペルガーならあると思います。

 

これを防ぐために、まずは挨拶で『言葉を交わす機会』を作りましょう。『おはようございます』『お疲れ様でした』だけでいいんです。この言葉だけ、できるだけ相手の顔を見て笑顔で言いましょう。これだけで、周囲との人間関係は格段に良くなります。

 

大げさに言えば、雑談ができなくても挨拶さえきちんとできれば周囲はあなたを悪く思いません。ぜひ、挨拶はきちんとしてみてください。

 

②やる気がある

 

人が嫌いなのはやる気がない人であり、できない人ではありません。しかし、アスペルガーは表情がわかりにくく、声に抑揚がないために周囲から「やる気がない」と思われがちです。やる気がないと思われがちなのにミスをするから、周囲から責められることが多いんです。

 

ですので、やる気を周囲にアピールする必要があります。私がしたやる気アピールは2つです。

 

1つ目はメモを取ってやる気アピール

 

新人は仕事中にメモを取ることが必要だと判断する人は今も多いです。極端に言えばメモを取る人はやる気があると判断するんです。ですので、メモを取りましょう。

 

しかし、ここで私には難題がありました。というのも、私は話を聞きながらメモができないんですよ。だから、今までの仕事ではメモを取りませんでした。だけど、メモを取るだけでやる気アピールができるなら、メモを取ったほうがいいじゃないですか。

 

ですので、私は教わっている時はじっくり話を聞いて理解して、後で教えてくれた人に見える場所でこっそりメモをしました。

 

わざとらしいやる気アピールで自分でも嫌になりました。何度も「こんなわざとらしいことを…」と思いました。でも、ここまでしないとアスペルガーは周囲にやる気が伝わらないんですよ。やる気は周囲に伝わらなければ意味がありません。人に伝わってこそ「やる気がある」ってことになるんです。

 

こんなわざとらしいアピールですが、これをしただけで周囲の人はどんどん優しくなりました。メモをしてるのを見ただけで、あからさまに私へ接する態度が変わった人もいました。

 

アスペルガーにとっては嫌な行動でも周囲へは良い意味になる行動もあるんです。

 

2つ目は質問を積極的にする

 

新人の間に許されるのが『質問』です。ベテランになると「こんなこともわからないの?」という態度を取られることもありますよね。ですので、新人の間は積極的に仕事の質問をしましょう。質問をすることで「この人は仕事に対して積極的だ」と評価してもらえ、なおかつわからないことを知れるので一石二鳥です。

 

それに、暗黙の了解がわからないのがアスペルガーです。仕事を円滑に行うための暗黙の了解を知るためにもどんどん質問してください。「仕事を覚えたい、仕事をきちんと知りたい、仕事ができるようになりたい」というアピールをするんです。

 

ポイントは「今、質問してもいいですか?」と相手へお伺いをたてることと、最後に「ありがとうございました」とお礼を伝えることです。質問の後にメモを取るのも効果的です。

 

③素直である

 

人が教える相手に望むことはただ1つです。

 

『言ったことを素直に聞き入れる』

 

これは、イエスマンになれというんじゃないんです。教わった時に「でも」や「だけど」と否定をするなってことです。

 

アスペルガーには自分のこだわりやルール等があります。理不尽なことや倫理的におかしなことは受け入れられません。だから、自分が間違っていると思うと否定したくなります。私もそうだからわかります。

 

ですが、それをすると教えてくれる人がいなくなってしまいます。「すぐ否定するから教えても無駄」と周囲は判断してしまうんです。

 

だから、まずは教えてくださった方の気持ちを汲んで肯定的に受け入れましょう。その後で、質問という形で自分の思いを伝えればいいんです。一度肯定的に受け入れるだけで周囲の評価は良くなります。

 

④掃除ができる

 

仕事中にやることがなくなって手持ち無沙汰になることがありませんか?こういう時って新人だとどうすればいいかわからないんですよね。周囲から指示があるまで何もしないなんて人もいると思います。

 

こういう時に「今やることありますか?なければどこか掃除でもしましょうか?」と質問してみてください。

 

というのも、仕事ができる人はきれい好きな人が多いです。道具をきれいに扱う、職場をきれいにするってことが仕事の基本だからです。それに、同じ仕事をするならきれいな職場の方がうれしいじゃないですか。嫌がる人もいる掃除を積極的にするだけで高評価をしてくれる場合もあるんです。

 

それに「何か仕事をしたい」というやる気アピールにもなりますし、こちらから具体的に質問をすることで次の指示ももらいやすくなります。

 

特に新人の間は、この言葉だけで自分の仕事がしやすくなります。

 

仕事でミスをしたら?

 

何かとミスやトラブルを起こしてしまいますよね。その度に落ち込んでしまう人も多いと思います。発達障害者なら「なんで自分はできないんだ」なんて自分を責めてしまう人もいます。

 

でもね、落ち着いて周囲を見渡してみてください。みんな意外とミスをしていますよ。それに、ミスをしても周囲に責められることなく楽しそうに仕事をしてる人もいますよ。

 

違いはなんでしょうか。

 

ミスの内容じゃなく、ミスをした後の行動が違うんです。

 

発達障害者はミスをしたらパニックになってしまい、固まって動けなくなったり、対処しようと慌ててしまって余計にミスを大きくしてしまうことがあります。ミスをしても「怒られるんじゃ…」と思ってミスを誤魔化す人もいます。

 

なので、まずは「ミスをしてもいい」と認めてしまいましょう。

 

ミスをしてもいいんですよ。その後、きちんと対処できればそれでいいんです。ミスがダメなんじゃなく、ミスをした後の行動がダメだっただけなんです。なので、まずは「ミスをしてもいい」と認めてしまい、慌てない、パニックにならないことから心掛けましょう。

 

そして、ミスをしたら誰かに助けを求めてください。ミスを隠す方が後々被害は大きくなります。怒られても、それは「ミスをした事実」に対して怒っているだけで「あなた自身を否定」してる訳ではないんです。今起こってる現状に対しての怒りであって、あなたへの怒りではないんです。

 

そして、助けてもらったらきちんと「ありがとうございました」ってお礼を伝えましょう。次の日に「昨日はありがとうございました」ともう一度お礼を言えると、さらにいいです。

 

ミスへの対応はたったこれだけでいいんです。そして、同じ失敗を繰り返さないように「何故ミスをしたのか」の分析をしましょう。ミスをミスのまま終わらせるのではなく、そこから何かを学んで自分の力にしてください。

 

まとめ

 

今までの職場では辛い経験も多かったんですが、今回は楽しく働けています。

 

発達障害者は働くだけでしんどいことも多いです。辛いことも多いです。ですが、少しのことで仕事が楽しくなることもあります。ぜひ、お仕事への参考にしてみてください。