発達障害な私の育児日記

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アレキシサイミア(失感情症) 先天的と後天的の違いとは?

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私はアレキシサイミア(失感情症)です。失感情症とは、感情の認知ができない症状のことを言います。自分の気持ちがわからない人のことですね。詳しくは下記の記事に書いていますので、そちらを参考にしてください。

 

okamati.hatenablog.com

 

今回は、失感情症の先天的な人と後天的な人の違いをご紹介します。先天的か後天的かで改善方法が少し異なります。

 

 

失感情症の先天的と後天的

 

失感情症は感情の認知ができない症状のことなんですが、全く感じないわけではありません。感情の認知度は人によってそれぞれ違います。発達障害の方にもそれぞれ違いがあるのと同じです。これが前提で話を進めていきます。

 

失感情症は医学的にもよくわかっていないという状態で、詳しく書かれたものは少ないです。ですので、今回は私自身と私の周りにいる失感情症の人をもとに3タイプご説明します。

 

まず失感情症は大きく2つに分けられます。生まれつき認知ができない先天的なことが原因な人、生まれた後の経験によって自分で感情を認知しなくなった後天的なことが原因の人です。そして、後天的なことが原因の人も感情を認知しなくなった時期により症状が異なります。

 

今回は、これらを①特徴②感情が認知できない自覚があるか③改善するときの注意点の3点で違いをご説明します。

 

ですが、あくまでも一人の一般人が観察した内容です。これが正しいと主張したいのではありません。「こういう人もいるよ」ってことを知っていただきたいだけです。そして、失感情症で悩んでいる方の参考にしていただきたいだけです。

 

先天的と後天的の違い

 

生まれつき認知できない先天的なことが原因

 

私は、失感情症の祖母が失感情症の母を育て、その母が失感情症の私を育てるという、ある意味失感情症のサラブレッドのようなものです。遺伝と環境が絡み合っています。

 

この章は私と母のことで先天的な人のことをご説明します。ですが、失感情症も環境によって大きく変わります。あくまでもこういう傾向があるというだけです。

 

①特徴

 

  • 何故自分がこんなことをしたかわからない
  • 自分の言動を覚えていない
  • 喜怒哀楽の全てを認知できない
  • 共感・同調という概念がない
  • 感情の切り替えが早い

 

人の行動の大半は感情がもとになっています。それは失感情症の人も同じです。ですが、失感情症はその感情がわからないから全て無意識の行動になります。本人は「直感で動いた」という感覚を持ちやすいです。

 

大半が無意識の行動なので、何故自分がこんなことをしたかがわかりませんし無意識の行動は覚えられません。私の母は小学校低学年の頃、1日1回だけ絶対大泣きしたそうです。ですが本人は「なんで泣いてたのかわからない」と言います。昔のことだから覚えていないんじゃないんですよね。本気で理由がわからないんです。失感情症はこんなことがよくあります。

 

そして、先天的な人は喜怒哀楽の全ての感情を認知できないという特徴があります。ですので、楽しそうにしていても楽しいと感じていないことがあるんです。これによりどうなるか。

 

一緒に遊んでいて「楽しいね」と言われても自分の感情を認知できないから「…?」という考えにしかなりません。「悲しいね」と言われてもよくわかりません。ですので、このタイプは人に共感することやみんな一緒だという同調性を経験できないため、共感や同調性がわかりません。これらは、感情があって初めて持てる感覚です。

 

ですが、失感情症も感情が認知できないと言っても全くできないわけではありません。多少はできます。成長すると共に認知できる感情の割合は増えます。しかし、割合が少なすぎて感情を持続させることができないんです。

 

感情って徐々に高まっていって、ピークがあって、そして徐々に冷めていくものだと思うのですが、一般的な人が最初から最後まで10分感じられるとしたら、失感情症はピークの2分くらいしか感じられないんです。だから、感情を持続させられないんですよね。

 

周りからは切り替えが早いとか、飽きっぽいとか思われがちです。だけど本当は、感情が認知できないから持続できないだけです。

 

②感情が認知できない自覚があるか

 

小さい頃はずっと何もかもがわからない状態で生活していますが、思春期くらいになると自我が目覚め、周囲と自分の違いに気づきます。そのとき私は「みんなが持ってる感情を持っていない」と気づきました。私の母にアスペルガー症候群のことを相談して「自分の気持ちも人の気持ちもわからない」と言ったら「あぁ、私も。自分の感情に鈍い」と母は言いました。

 

先天的な失感情症は、感情を認知できないのが当たり前だから大人になれば自分は感情が認知できないと自覚しています。子どもの頃は感情の存在自体知らない可能性があるので、感情を認知できる認知できないという概念がありません。大人なら自分と周囲が違いすぎて自覚できるようになるんです。

 

そして、人に「怒ってる?」とか言われても疑問に思うだけで腹が立ちません。感情を認知できない自覚があるので「私は怒ってるのか?」と疑問に思うか「私は怒ってるんだ!」と自分の感情に気付くかのどちらかです。

 

③改善するときの注意点

 

改善方法は前回の記事を参考にしてください。

 

注意点は、感情を認知できなかったせいで自覚できていないトラウマ的なものが心の奥に潜んでいる可能性があるので、そこだけ意識しておいてください。これを理解していないと、感情を探している途中でトラウマ的なのを発見して苦しんでしまう可能性があるからです。

 

改善するときは、今の感情を1つずつ丁寧に行っていけば、トラウマ的なものに苦しむことはありません。

 

幼少期に無意識に感情を認知しなくなったことが原因

 

夫は、両親の不仲や虐待で無意識に感情を認知しなくしてしまいました。

 

この章はそんな夫やネットに書かれていた経験談をもとに私なりの分析で説明します。

 

①特徴

 

  • 喜怒哀楽のどれかだけ認知できない可能性がある
  • 認知できない感情のみ言動を自覚できない
  • 共感・同調性が強い

 

夫の場合、喜怒哀楽の怒と哀だけ認知できません。たぶんこれは、小さい子どもが生きるために怒りと悲しみは感じたらダメだと無意識に判断したからではないかと思います。怒って大きい声を出したり周りに八つ当たりしているのに、それを全く自覚できないんです。悲しそうな顔をしてるのにそれにも気づけないみたいです。

 

そして、共感や同調性を強く意識します。世間や周囲の目を意識します。これは環境による影響が大きいと思います。

 

虐待する親や厳しい親って「みんな〇〇してるんだからしなさい!」とか「みんなできるのになんでできないの!」とか言うじゃないですか。子どもが親に合わせるように生活させるじゃないですか。子どもも自分が生きるために親に必死に合わせるじゃないですか。これにより共感や同調性が強くなるんだと思います。小さい子どもが生きるために身につけた能力です。

 

ですが、大人になるとこの能力に苦しめられるのも事実です。虐待サバイバーって言葉をご存知ですか?

  

okamati.hatenablog.com

 

上記の記事にも書いているのですが、虐待サバイバーとは幼少期に虐待などをされたせいで生きるために脳が独特な発達をした人たちのことです。夫は虐待サバイバーです。

 

夫は独特な発達をしてるのに、生きるためには共感や同調性が必要だったから周囲にそれを求めるんです。自分は周りに合わせなければいけない、何故あの人はみんなに合わせないんだという感情に苦しみます。これに、認知できない怒りの感情が絡まってくるんです。自分が何に腹が立って、何に悲しんでいるのかさえ理解できていません。

 

夫は、自分で小さい頃に身につけた生きるための能力に苦しんでいます。

 

②感情が認知できない自覚があるか

 

夫は感情が認知できない自覚はありません。夫が冷静なときに認知できないことを何度か指摘しましたが、夫は聞き流していました。

 

たぶんですが、生まれたときは感情が認知できていたからできないという自覚ができないんだと思います。それに、感情が認知できないのを受け入れるってことは、過去の虐待などの辛い経験を受け入れるってことだから拒否感があるんだと思います。だから、過去を受け入れられている人は認知できない自覚ができるんじゃないかとも思います。

 

そして「怒ってる?」と聞くと「怒ってない!」と強く否定します。自分の認知できていない感情を指摘されると強く否定する傾向があります。

 

③改善するときの注意点

 

このタイプの失感情症の方は原因が辛い経験だということが多いです。ですので、改善するには過去のことを受け入れることが必要になってきます。

 

しかし、辛い過去は封印してしまうことが多いです。思い出すのが危険だから封印していることもあるんです。ですので、無理に感情を認知しようとすると封印していた過去を思い出して苦しむ可能性があるので慎重に行ってください。

 

そして、周囲の人はこのタイプの方に無理矢理感情を認知させようとしないでください。感情が認知できる方がいいのは事実です。ですが、その人が生きるためには認知しないことが必要な場合もあるんです。

 

意識して感情を認知しなくなったことが原因

 

私は、大人になってそのときの環境が辛くなりすぎて、自分で感情に蓋をしたことがあります。自分で感情を認知しなくしたんです。

 

この章はそのときのことをご説明します。

 

①特徴

 

  • 全て何も感じない

 

感情だけでなく、空腹や眠気や物がほしいなどの全ての欲求、体の感覚も全てなにもかも感じなくなりました。全てが無でした。表情も変わらず、行動やリアクションも無くなりました。

 

②感情が認知できない自覚があるか

 

感情が認知できない自覚はもちろんあります。そして、周囲も私が感情を感じていないとわかっていました。この点が他のタイプと違うところだと思います。

 

③改善するときの注意点

 

このタイプは、感情に蓋をしてからいかに早く蓋を外すかがポイントになります。

 

そのために、まずは感情を認知しようとするんじゃなく、環境を変えることから始めてください。逃げる、やめる等してその環境を変えることが先決です。

 

環境を受け入れようとがんばらないでください。その環境が辛いから感情を認知しなくしたんです。それ以上がんばりすぎたら、本当に心が壊れてしまいます。感情を認知しなくしたのは生きるためです。まずは生きるために環境を変えてください。

 

まとめ

 

失感情症といっても原因により改善方法は様々です。本人はもちろんのこと、周囲も原因をみつけてから対処してください。

 

しかし、全てのタイプに言えることが1つだけあります。感情をコントロールできないということです。感情を認知できないとコントロールすることができなくなります。これも生き辛さの原因の1つなんです。わがままなのではありません。感情が認知できないからコントロールできないだけなんです。

 

次は生まれつき感情が認知できない子の特徴についてご説明します。私や私の子どもの特徴から、先天的な失感情症はみつけられるのではと考えました。失感情症は、早く対処することがベストです。それらについてご説明します。

 

 

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