アスペルガーとの会話のコツ5つ
アスペルガー症候群の方が同じ会社にいたり、パートナーだったりすると、会話に困ることが多々あると思います。伝えたいことが伝わっていなかったり、アスペルガー側が全く違う解釈をしていたりしてることがよくありますよね。会話が成り立たないってすごくストレスになるんですよ。
私は、自分自身がアスペルガー症候群(ASD)でだいぶ改善しているため、アスペルガー症候群の方とはとても話しやすいです。いくつかのコツさえ掴めば、根は真面目で嘘をつかない方が多いのでとても信用できる方が多いです。ですので、私が実践しているアスペルガー症候群の方との会話のコツをご紹介します。
アスペルガー症候群の会話の特徴
アスペルガー症候群の方は早口で、話すタイミングが被ることが多いです。そして、アスペルガー側がパターンを掴んでいることなら短く会話ができますが、世間話等になればまどろっこしい言い方をしてきます。
そして、アスペルガー側から話しかけるときは、会話の構成を頭の中で組み立てていることが多いです。ですので、それを崩されると会話が上手くできなくなることもあります。相手にいきなり話しかけられたときも、話の要点を掴むのに時間がかかるため、会話がチグハグになることもあります。
ですので、アスペルガー症候群の方は電話で話すと特徴が出やすいです。一番出る癖は、話すタイミングが被ることです。顔が見えてるときに比べて、電話だと話すタイミングが被ることがかなり増えます。それに、アスペルガー側からかけたときならまだ対応できますが、かかってくる電話だと話の要件が事前にわかってないし、声でしか相手の感情を判断できないため会話が噛み合わないことがあります。
アスペルガー症候群との会話のコツ
①アスペルガー側から話しかけてきたときは主導権をアスペルガー側に渡す
アスペルガー症候群の方は、話しかけるときに事前に頭の中でシュミレーションしてることが多々あります。ですので、アスペルガー症候群の方に話しかけられたときは、アスペルガー側に会話の主導権を渡して、相手がしゃべりたいことを話させましょう。こうする方がお互いにストレスが減ります。
話の腰を折って自分が主導権を握ると、相手が混乱するので会話の時間が何倍にもなるんです。なので、全部アスペルガーが話したいことを話させましょう。そして、聞きたいことは会話の最後に聞いてください。最後にアスペルガーを混乱させても、さほどお互いに影響は出ませんし、ストレスなく会話が終わります。
②話しかけるときは最初に何について話したいか伝える
アスペルガー症候群の方に話しかけるときは、最初に要件を伝えてください。何について話したいかを最初に伝えることで、アスペルガーは頭の中を整理して話すことができます。
例えば、仕事なら「昨日出してくれた書類のことを聞きたい。間違いはないけど、確認しておきたいことが3つあるんだ」みたいな感じで伝えると、スムーズに会話ができます。
③一度褒める
アスペルガー症候群は、変わっているとか、何を考えているかわからないとかよく言われます。ですが、真面目で素直で嘘をつけない人が多いんです。ですので、話すときに「あなたは真面目で嘘をつかないし、話が信用できる」って伝えると、素直に話してくれるようになります。
ただ、いきなり言われると周りを察することができないアスペルガー症候群には「見透かされてる」って恐怖心を抱く方もいます。なので、なぜ真面目で嘘をつかないって思ったかを伝えてあげてください。普段の仕事をしている姿を見てとか、いつも真面目に答えてくれるからとか、相手の行動の部分で説明をするとこちらに好感を持ってくれます。
そうなると、もともと嘘をつくことに罪悪感を感じやすいアスペルガーは嘘をつかなくなるので信用できる人になりますよ。
④一から十まできちんと説明をする
一般的には「言わなくてもわかるだろ」って考えて言葉を省略する方がいます。この間もTwitterで「この人の気持ちがわかる?」みたいな質問がありました。
A「リンゴ買ってきて」
B「赤いの?青いの?」
A「種類わかる?サンフジがいいな」
B「種類はわかる。なかったら?」
A「なかったらなんでもいいよ」
そして、Bさんはぶどうを買ってきたけど、このBさんの気持ちがわかる?って質問でした。
これ、アスペルガーなら気持ちがわかります。だって、最後の「なんでもいいよ」の「なんでも」の部分の範囲が言われてないからわからないんですよ。「(リンゴなら)なんでもいいよ」なのか「(果物なら)なんでもいいよ」なのか「(お腹に入れば)なんでもいいよ」なのかわからないんです。
一般的には「それまでリンゴの話をしていたんだからリンゴのことだってわかるでしょ」って思いますよね。でも、アスペルガーは前後の文に関係なく「なんでもいいよ」って部分にしか注目してないから、よくわからないんです。
アスペルガーは、会話の全体を通して話を理解しているのではなく、相手が話す雰囲気や言葉それぞれを個別で理解しています。なので、同じ内容を伝えても、怖い声で怒っている言葉を交えながら伝えるのと、説明をするように優しく言うのでは、アスペルガー症候群の理解度は全く違うんです。
怖い声で怒ってる言葉を交えて言うと、アスペルガーには《なんかわからないけど怒ってる》ってことと《怒っている言葉》という注目しやすいことしか理解できていません。ですが、一箇所に注目をしてしまわないように、全体を通して優しくきちんと説明をすると理解してくれます。
なので、アスペルガー症候群に話をするときは、絶対誰しもが同じ意味にとる言葉で、しつこいくらいきちんと話をしてください。特に、絶対理解してほしいことは優しく話してください。それだけで、ストレスが減りますよ。
そして、仕事などで説明をする場合などは「何がわからないかがわからない状態かもしれないし、わからないことが出てきたら行動をする前にすぐに聞きにきてね」って最後に伝えてください。わからず勝手に何かをされる方が困ることが、仕事や日常生活の中では多いですよね。それを未然に防ぐために、わからなかったら聞けときちんと伝えてください。そして、聞かれたらすぐに優しく応じてあげてください。
「わからないことがある?」なんて説明した後にすぐ聞いてもダメですよ。何がわからないかがわからない人間は「わからないことがある?」なんて聞かれても困るだけなんです。
⑤早口で興奮し出したら途中で止めずに最後まで聞く
アスペルガー症候群は、興奮すると早口で一方的に話し続けることがあります。これは、止めずに最後まで聞く方が話が早くすみます。
一通りしゃべらせて落ち着かせてから、ゆっくり話してください。聞くのが面倒だと思っても、興奮状態を無理に押さえつけたら相手の興奮状態が長引き、さらに話が長くなるだけです。失礼な言い方かもしれませんが、早口で話し出したら右から左に流してもいいんでしゃべらせてあげてください。
まとめ
アスペルガー症候群の方は素直で嘘をつけない方が多いです。私自身は、重要な情報を得たいときなどは、一般の人じゃなくアスペルガー症候群の方に話を聞きます。アスペルガー症候群の方が真面目に話をしてくれますし、確実な話を聞けますから。それに、好きな分野などでは知識が豊富な方が多いですし、自分と違う見方をしてる方も多くて、話すコツさえ掴めればとても楽しく会話ができますよ。
ちなみに、アスペルガー症候群は情報処理が一般の人と違います。下記の記事にまとめてますので参考にしてみてください。