発達障害な私の育児日記

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発達障害を抱えながら家事・育児に奮闘中!私ならではの解決法を提案します!

ASD(アスペルガー症候群)の情報処理と子どもの頃の私

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ASDだからか怒られることが多かったんですが、中でも「ちょっと考えればわかるでしょ!」と言われることが多かったんです。なんでこうなってたのか過去の自分の頭の中を整理してみます。

 

あくまでも私の個人的な考えであり、全てのASDの人が当てはまることではありません。それに、ASDと関係ない要素も含まれていると思います。「こんな考え方の人もいるんだ」程度で読んでください。

 

ASDの根本的な情報処理

 

たぶんですが、一般的な方の頭の中の情報処理ってある程度分類されていて、なおかつそれらに全て繋がりがあると思うんです。なので、目の前の状況から得た情報を元に頭の中から必要な情報を出すのではと思います。

 

例えば、目の前にポストがあったとしたら「ポストがあるな。あっ、そういえばあのハガキ月末までに出さなければいけないんだった」みたいな考えができるのではと思います。ポストから手紙やハガキを連想して、そこから家にあるハガキを思い出すみたいな感じです。

 

しかし、ASDの頭の中の情報処理って分類されておらず個別に管理されています。そして、それらは整理されていないからバラバラな状態なので繋がることがありません。なので、目の前の状況から得た情報も見たままでしか処理されないのでそこから発展させるのが難しいんです。

 

先ほどの例えで説明すると、目の前にポストがあったら「ポストがあるな」で終わりです。大袈裟な言い方ですけどね。

 

ですが、ASDも経験を重ねるごとに情報が増えていきますので、大人になると目の前の状況が過去の状況と似ていれば過去の情報を引き出せるようにはなってきます。しかし、子どもの頃だと経験が少ないから引き出す情報がないために周りを怒らせることが増えてしまいます。

 

考えていないのではなく考えられない

 

例えば、子どもが電車の中で騒いだとします。そして、子どもに「電車の中は人がいっぱいいるから騒いだらダメよ」と怒るとします。

 

一般的な子は、電車・人がいっぱい・騒いだらダメという言葉から、他の人がいっぱいいる場面や周りの人が自分をどう思うかを想像すると思います。そして、自然と「電車だけではなくバスなどの乗り物や、人数関係なく他の人がいる場所で騒ぐのはダメなこと」と学べるのだと思います。

 

しかし、ASDの場合は自分の視界に写っている人がいっぱいいる電車のシーンと言葉だけを情報として取り入れるので、子どもによっては「人がいっぱいいる電車の中では騒いだらダメ」と記憶する可能性もあると思います。なので、人が少ない電車で騒いだり、電車ではないバスの中で騒いだりします。

 

電車の中のことを注意した後にバスの中で騒がれたら、親からすれば「さっき言ったでしょ!」ってなりますよね。でも、子どもは「電車の中は人がいっぱいいるから騒いだらダメよ」としか言われていないため「言われてない」と言います。

 

親「言ったよ。電車の中で「人がいっぱいいるから騒いだらダメ」って言ったよね?」

子「うん、聞いた」

親「ほら言ってるじゃない。なんで嘘つくの!」

子「嘘ついてない、お母さんは電車の中って言ってた」

親「電車もバスも同じようなもんでしょ」

子「バスの中はダメなんて聞いてない」

親「屁理屈ばかり言わない!ちょっと考えればわかるでしょ!」

 

といった会話になる可能性があると思います。というか、こんな感じの会話を私は今までたくさんしてきました。「なんできちんと説明をしなかったのにできなかった私のせいにするんだ」と悲しかったです。

 

ASDは全てその場その場のシーンを切り取って個別で管理しているので、得た情報を考えて意味を読み取ることができないんですよね。情報に横の繋がりが全くないから意味を読み取ることができないんです。これも、ASDが言葉をそのままの意味で受け取ると言われる1つの原因ではないかと思います。

 

改善方法

 

じゃあ、どうやって改善させるかと言われると難しいんですよね。たぶんですが、私がこういった考え方を改善させたきっかけは小説を読んだことだと思います。特に、シリーズ物の小説とか歴史小説で改善ができたのではと思います。

 

小説ってASDの思考が強いと面白くないんです。登場人物の気持ちもわからないし、共感もできないので私は全く読まなかったんです。マンガは読みましたが、マンガは絵があるから頭を働かせて読む必要がないので思考を鍛えるという意味ではあまり向かないと思います。

 

シリーズ物の小説とか歴史小説って、同じ登場人物が出てきたり過去の読んだ話と今読んでる話の内容が重なってたりするじゃないですか。なので、自然と過去の情報と読んで得ている情報を一致させる機会が増えるんですよね。そうやって、目の前から得る情報と頭にある情報を合わせて考えることを増やすことで、情報を繋げることが少しずつできるようになったのではと思います。

 

対処方法

 

周りがASDの場合はどうすればいいか、というのもありますよね。これも確実にこれで変わるとは言えませんが、私には夫の教え方がわかりやすかったので夫がどのように教えてくれたかをご紹介します。

 

ただし、前提としてASDだから人の気持ちも自分の気持ちもわからないという自覚が私にはあり、絶対ASDを改善したいという気持ちがあったというのがあります。改善したかったので素直に人の話を聞いたからこそ夫の教え方が効果があったと思います。

 

夫が私を叱る場合、大声は出しません。そして、怒ってる顔も怒ってる声も出しませんでした。言い聞かせるように優しい声で教えてくれました。そして、教えるときは過去の私の経験を思い出させるような説明をしてくれました。

 

「こんなことがあったよね?」と比較的新しい経験を思い出すように促してそのときの情報を説明し、それに絡めるように今の現状を教えてくれました。そして、これから同じような状況になったらどうするべきかということを教えるという感じで叱ってくれました。

 

怒ってる様子を見せず、こちらの質問もバカにせず、目の前の状況だけでなく過去の似た体験やこれから起こるであろう体験に対してアドバイスという形で叱ってくれたんですよね。一般的には面倒だと思われる叱り方を夫はしてくれたので毎回とても納得できました。そして、この叱り方をしてもらううちに自然とこれから起こるであろう状況を想像して話を聞くことができるようになりました。

 

一番のポイントは、怒ってる様子を見せずに優しく言い聞かすことです。怒ってるという情報をASDに与えると、人によっては怒ってることへの恐怖感で思考を停止させる場合があるので伝えたいときほど優しく言い聞かせてください。

 

まとめ

 

医者ではないASDの一個人の考えです。それに、ASDは女性か男性かでも特徴はかなり違いますし、発達障害は個性もかなり違います。ただ、こんな思考でこんな考え方の人もいるんだと感じてくださればうれしいです。

 

現在私はかなり改善したので定型発達の方の気持ちもわかります。これだけ思考回路が違えばASDを理解できなくて当然だと思っています。そして、ASDの方が定型発達の方を理解できないのもわかります。これだけ思考回路が違えばすれ違いは絶対に生じます。

 

ですので、できればお互いに思考回路が違うことを理解して、お互いに相手を尊重して歩み寄っていただければと思っています。定型発達の方に「発達障害を理解しろ」というのも間違いですし、発達障害の方に「自分がおかしいと自覚しろ」というのも違うと思います。でも、それぞれみんな違うことは事実ですので、お互いにお互いを尊重していただければと思います。

 

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