アスペルガー症候群の私が小説を読んで変わった理由
私はPTSDの治療優先のため未診断のアスペルガー症候群です。今は自分で改善したため日常に困ることはかなり減りました。改善には数年かかり、最初の一年は小説を読みまくり、一年は自分の内面と向き合い、一年は他者の内面や行動と向き合い、一年は自分の能力と向き合いました。
その中でも、小説を読みまくった一年がとても大切だったと後々感じたため、なぜアスペルガー症候群には小説を読むことが大切かをまとめます。
注意点
・この記事は誰にでもわかりやすいよう正式な言い方ではなく、アスペルガー症候群はアスペルガー症候群、アスペルガー症候群ではない人を一般の人と書いています。
・あくまで、医師の治療を受けていない一人の人間の勝手な考えです。一般の人でも個性があるように、アスペルガー症候群もそれぞれ個性があります。ですので、「こんな考えもあるんだ」くらいの軽い考えで読んでください。
小説を読んで変わったこと
上記の記事のように、最初小説を読むきっかけは自分を変えたいという強い気持ちだけでした。しかし、小説を読みだして半年ほど経ったとき、急に周りから変わったと言われるようになりました。「言い方は悪いけど、今まではバカっぽいしゃべり方だったのが、すごくわかりやすいしゃべり方になった」とはっきりと言われました。実際、自分が伝えたいことが伝わるようになり、周りとのコミュニケーションがスムーズに行われるようになりました。
なにが変わったのか細かくは教えてもらえませんでしたが、自己分析をした結果、この2点に変化があったのではと思います。
主語をきちんとつけて話すようになる
人の気持ちなどに気付きにくいアスペルガー症候群は、自分の気持ちを優先した話し方をする癖がありますが、私は小説を読むことにより《誰が・何が》というところをきちんと言うようになりました。
あまり深く考えずに一気に早口で話す癖のあるアスペルガー症候群は、自分の感情のまま思ったことを口に出します。ですので、何も知らない相手に話すということを意識しないため、自分の知ってることは相手も知ってると無意識に思い込み、話を進めることが多いです。
ですが、《誰が・何が》などの主語が抜けると一般的には話がわかりにくくなる場面が多いため、話のほとんどを相手の理解力に任せることになります。すると、話を聞く側としてはわかりにくい印象を持ってしまいます。酷いときは《誰が・何が》を言わないため、誤解されることもあります。《誰が・何が》を違う解釈の仕方をするだけで話が全く変わってしまうことも少なくないんです。
ですが小説は、読んだ人に伝わるよう、特に三人称の作品は《誰が・何が》をきちんと書かれています。その文章をたくさん読むうちに自然と《誰が・何が》という主語をきちんと使う癖がついたのだと思います。
文章の構成をできるようになる
アスペルガー症候群は思ったことを感情のまま一気に話すため、話しているうちにどんどん話がずれていき、最終的に何が言いたかったか本人もわからないなんてことがよくあると思います。それが、小説を読むことで改善されました。
小説は、作家さんの中にある世界を読んだ人にわかりやすいように説明してあるものです。ですので、話す順番、言葉の順番などに気を使いながら書かれてます。その文章をたくさん読むうちに、自然と相手に伝えやすい文章の構成を学び、身に付けることができるようになります。
なので、同じように感情のまま話をしても、きちんと伝えたかったオチに話を持っていくことができるようになりますし、自然と相手にわかりやすい文章の構成を作れるようになります。
この2点は、一般の人でもできない人もいるため、アスペルガー症候群とか関係なく小説を読めば誰にでも感じられる変化です。実際、私は一般のコミュニケーションに悩んでいる小説を読まない人には、小説を読むことをオススメしています。
私は、小説というのは世界観を楽しむためだけではなく様々なことを学べる場だと思っているからです。特にアスペルガー症候群にとっては、大切な学びの場になります。私がアスペルガー症候群の方に小説をオススメする1番の理由は次の点です。
アスペルガー症候群にとって小説は他者の行動の学び場
他者の行動の意味がわからないアスペルガー症候群にとって、小説はとてもいい学び場です。本当は日常の中で一般の人を観察して学んでいく方がいいですが、正直それでは限りがあります。毎日不特定多数の人と直接対面することなんて無理ですからね。
上記の記事に書きましたが、アスペルガー症候群が理解すべきことは相手の思考ではなく行動です。
浮気されたら怒る、人が亡くなれば泣く、けなされたら腹が立つといった一般の人にとって当たり前だと思われてる行動を自分の中にインプットすることが大切なんです。これさえできればかなり日常は穏やかになります。
でも、日常でそれを学ぶには普通の経験では場数が足りないんです。そこで、その足りない部分を補うのが小説です。一冊の小説の中にたくさんの人がでてきて、様々な出来事が起こります。それに、読むのにさえ慣れれば小説なんて数時間で読めます。
たった数時間でたくさんの人の行動を学べるってかなり効率がいいと思いませんか?仕事への行き帰りや空いたわずかな時間に小説を読むことで、効率よく一般の人の行動を知れるのですごくオススメです。
まとめ
小説を読んで知識を得ることは人生を豊かにしてくれます。
でも、実はアスペルガー症候群は小説を読むのが苦手な方が多いですよね。行動の意味がわからないので、そもそものストーリーがわからなくて面白くないんですよ。もともと私も小説を読めなかったので気持ちはすごくわかります。
でも、人にこれだけオススメできるくらい小説を読めるようになりました。ですので、次回はアスペルガー症候群でも読める小説の読み方、オススメの作家さんを紹介します。読むコツさえ掴めば、アスペルガー症候群とか関係なく、本が嫌いな人や文字が苦手な人でも楽しく読めるようになります。