アスペルガー症候群に冗談と称したいじりは辞めてください
ASDによく言われる特徴として嘘がわからない、冗談がわからないというのがあります。これが結構日常での影響が大きいです。
最近では、お笑い芸人などの影響か相手の身体的な部分や内面などを《いじる》という感覚で貶す人も多いです。「いじられておいしいだろ？」なんて周囲が本気で思い、貶されても笑ってやり過ごさなくちゃいけない雰囲気になる場面も多いです。これがだいぶ辛いです。というか、傷ついているのはASDだけじゃなく、たくさんの人にも傷ついた経験があると思います。なので、それらに対する考え方をまとめました。
嘘や冗談がわからない
私はだいぶASDを改善しましたが、嘘や冗談はわからないことが多いです。特に、冗談で怒ったフリをされると全くわかりません。嘘や冗談がわからないという自覚があっても、相手が本当のことを言ってたり本気で言ってる可能性がある以上疑うことはできないんです。
だって、怒ってる人に怒ってないと思って接したときの方が後々悪いことが起きそうじゃないですか。それに、本当のことを言ってる人に最初から嘘だと決めつけて接するなんて失礼じゃないですか。
なので、どんな言葉でも真剣に捉えています。それなのに「冗談じゃん」なんて言われたらとても悲しくなります。冗談を見抜けなかった自分にも悲しくなるし、冗談を真に受けて対応してる自分に虚しさを感じます。
そもそもいじりは必要か？
世の中お笑いが浸透していくにつれて、ボケに対してはツッコミを入れたり笑わなくてはいけないみたいな考え方が当たり前となってきてます。いじりに対しては、いじられておいしいと感じなくてはいけないみたいな考え方が横行してます。例えそれが傷つくことでも、笑って流さなくてはいけないというのが暗黙の了解となってる節があります。
しかし、言葉とは言った側と聞く側が同じ意味の言葉として捉えることにより初めてちゃんとした言葉として成立します。なので、いくら言った側が「冗談だよ」と言っても、聞く側が「嫌だった」と思えばその言葉は笑いを生む言葉としては成立しないはずなんです。なのに、なんでみんな「気にするのが変」とか「冗談だよ」とか言って聞く側に問題があると言うんですか？
個人的には、人の嫌がることを言うことでしか笑いを取れないなら、笑いのセンスはないから笑いを取るのは諦めろよと思ってます。
お笑い芸人さんたちは、お金をもらって仕事としていじったりいじられたりしてるんです。そして、ある程度お互いに信頼関係があるから成立してるんです。それを勘違いして、どんな場面でもいじる行為は正しいと思うなんてかなり不思議です。お笑い芸人さんたちは、不快になるかもしれない言葉を不快に感じさせないように言えるテクニックがあるからお笑い芸人という職業をやっていけるんだと思っています。
いじるといじめ
過去にいじめについても書きました。
いじるといじめってとても似てるんですよ。違いは、された側が「おもしろい、うれしい、楽しい」という良い感情を抱くか、「嫌だ、悲しい、悔しい」という悪い感情を抱くかです。
そして、ASDは言葉をそのまま受け取るので冗談や嘘がわかりません。だいぶ改善した私にもまだ冗談や嘘がわかりません。いじりに対しては悪い感情を持つことが多いので、相手がいじるつもりで言った言葉にいじめられたと感じるくらい傷つくこともあります。
そのまま受け取る方が悪いと言われればそうなのかもしれませんが、私としては《いじる必要性》というのを感じたことがないのでいじる気持ちがわかりません。
身体的、内面的な部分へのいじりってお互いに信頼関係があるから成立するのに、一方的におもしろいと思い込んでる人が好き勝手言って、聞く人は受け入れなければならないと感じる空気になるのは納得がいかないんです。
学校や職場、家庭などで《いじり》と称した《いじめ》をして「怒るお前はおかしい」なんて間違ってます。自分の笑いのセンスのなさを人のせいにしないでください。
まとめ
前回「気にするな」って言葉は間違っているという記事を書いたので、今回はASDとしての《いじり》についてまとめました。あくまでも私個人の考え方です。
ASDに対してはわかりにくい嘘や冗談は辞めてください。わからなくて申し訳なく思っていますが、本当に全くわからないのでどうしたらいいかわからないんです。毎回毎回本気で言葉を受け止めるので心身ともに疲れるんです。嘘や冗談はわかる人同士でしてほしいです。
